3月3日と言えばひな祭り。
ひな祭りの行事食には何があるかご存知ですか?
菱餅、ひなあられ、ちらし寿司、白酒等、いろいろありますね。
今回はその中から、菱餅、ひなあられ、ひちぎりついて紹介したいと思います。
ということで今回の記事は、ひな祭りの行事食である、菱餅、ひなあられ、ひちぎりについて知りたい方に向けて書かれています。
では早速見ていきましょう。
①菱餅って何?〜その由来や形、色の意味〜
・菱餅の由来は?
菱餅の起源は、古代中国の伝統にあります。
中国では、「上巳節」と呼ばれる季節の節目(日本でも、ひな祭りは上巳の節句と呼ばれています)に、菱の実の粉と母子草を混ぜた餅が食べられていました。
菱の実は「子孫繁栄」や「長寿」を象徴し、母子草は母と子の健康を願う意味が込められていました。
ちなみに、この母子草というのは、御形(ごぎょう)とも呼ばれ、1月7日に食べる春の七草にも含まれています。(七草がゆの七草ってなに?〜保育に使える年中行事深掘りメモ②~参照)
この習慣は後に日本に伝わり、ひな祭りの一環として定着しましたが、日本では母子草の代わりに蓬(よもぎ)が使われるようになりました。
日本では「母と子を一緒に餅を作るのは縁起が悪い」という風習があり、その影響で母子草ではなく蓬が使用されるようになったと考えられたようです。
その時点ではまだ菱形ではありませんでしたが、江戸時代に入り、現在の菱餅の形状になりました。
・なんで菱形?
菱餅が菱形をしている理由については、諸説あり、これと言った定説はないようです。以下、いくつか挙げておきます。
・大地や心臓の形を表現している=子どもの健康を願う厄除けの意味がある。
・仙人が食べ不老長寿になったという菱の実をモデルにした。
・菱の実は繁殖力が強いので、子孫繁栄の願いを込めて菱形にした。また、菱の実は尖っているため、節分の柊同様厄除けの意味合いも込められている。
等です。定説はありませんが、いずれも厄を祓い、健康に過ごせるようにという願いが込められているという点では共通しているようです。
・菱餅の色には意味がある?
雛飾りにも置かれている菱餅、行事食としても食べられています。その三色は、
【雪の下から新緑が芽吹き、桃の花が咲いている】
という春の情景を表しています。
ちなみに、菱餅は昔は緑と白の二色だけだったのが、明治時代になってからクチナシの桃色が加わったのだとか。
ひな祭りの長い歴史に比べると、菱餅が今のような三色になったのはごくごく最近のようです。
これは今回調べていた中では一番の驚きでした。
・三色の由来になっている原料の健康効果について
三色それぞれの元になっている原料には、健康に良い効果があります。
桃色…クチナシ=解毒作用・厄除け
白色…菱の実=血圧低下・子孫繁栄・長寿
緑色…蓬=増血・健康
形にも、色にも、素材にもいろいろな意味合いがある菱餅って、すごくないですか?
ちなみに、今回は三色の菱餅について書きましたが、地域によっては五食の菱餅を飾ることもあります。
その場合、オレンジは太陽を意味し、黄色は月または菜の花を意味するということです。
いずれも豊作祈願的な意味合いが込められているそうです。
また、五色になるとなぜか並べる順番がバラバラになってしまうパターンもあるようです。
その場合、上述のような春の風景という意味合いは無くなってしまうようですが、見た目の色合い等、華やかさを重視した結果ということのようです。
調べれば調べるほど奥深い菱餅、私は今まで食べたことなかったのですが、今年はぜひ食べてみたくなりました。
みなさんもいかがですか?
②ひなあられって何?〜その由来や色の意味〜
・ひなあられ、東西で味が違う!?
実は、同じひなあられという名称でも関西と関東ではモノが異なります。
関東は甘いポン菓子、関西はしょっぱいおかきが売られていることが多いのだそうです。
原料も異なり、それぞれ、関東はうるち米、関西はもち米が使われています。
この理由は諸説あるようですが、関東のものは江戸時代に豊作を祈願して供えられていた「はぜ(もち米を煎ったもの)」がもとになったという説、「関西風」は、お寺でおこなわれる法要「涅槃会(ねはんえ)」に供えられていた「おかき」がもとになったという説がそれぞれ有力なようです。
ひなあられの起源としては他に、平安時代の貴族の遊び「ひいな遊び(ひな祭りの起源とも言われている)」の際に、菱餅を砕いて煎ったものを食べていたと言うものもあります。
ひなあられの起源や東西で味が違う理由については他にも諸説あるようなので、気になる方は色々調べてみてください。
お知り合いの方に、ひなあられといえばどっち?と聞いてみても面白いかもしれませんね。
・ひなあられの色の意味は?
菱餅同様、三色で春を表すものもあれば、そこに黄色を加えて春夏秋冬(ピンク・緑・黄色・白)を表すものもあるそうですが、いずれにしても、そこには一年を通して健やかに育っていってほしいと言う願いが込められています。
③ひちぎりって何?〜あこや餅?いただき?色々な名前を持つ和菓子〜
・ひちぎりって何?
今回、ひな祭りの行事食について色々調べていて出てきたのがこちらのひちぎりです。
私は今回初めて知りましたが、このひちぎり、主に京都で食べられているもので、他の地域では、あこや餅、いただきとも呼ばれたりしているそうです。
杓子型の蓬餅の上に赤や白の小豆あんを乗せたもので、杓子の持ち手部分をちぎったような形に仕上げることから、引きちぎり→ひちぎりと呼ぶのだとか。
その色合いは、菱餅やひなあられと同様に春の情景を表しているということです。
気になる方は、ぜひひちぎりで検索してみてください。美味しそうですよ。
私はまだ実物を見たことはありませんが、縁起物ですし、何より美味しそうですし、発見したらぜひ食べてみたいものです。
④子どもたちにはどう伝える?
菱餅、ひなあられについて(ひちぎりについては全国流通はしていないので割愛します。)子どもたちに伝えるとしたらこんな感じでしょうか。
「菱餅みたいな形をひし形っていうんだよ。だからひし形のもちで、菱餅。
桃色と白色と緑色で、桃の花と雪と春に生えてきた草を表していて、春の風景をイメージしているんだよ。
菱餅にはみんなが健康でいられるようにという願いがこめられているんだよ。」
「ひなあられって、実は三色のものと四色のものがあるんだよ。
三色のものは桃色と白色と緑色で、桃の花と雪と春に生えてきた草を表していて、そんな春の風景をイメージしているんだよ。
四色のものは、桃色、緑色、黄色、白色で、それぞれ春夏秋冬を表しているんだよ。
一年間みんなが健康に過ごせますようにという願いが込められているんだよ。
ちなみに、ひなあられには二種類味があって、甘いひなあられのところとしょっぱいひなあられのところがあるんだよ。
みんなが食べるひなあられはどっちの味か、食べてみてわかったら是非教えてね。」
といったところでしょうか。
⑤終わりに
ひな祭りに使えるパネルシアターを販売しています。
それぞれの商品には、この記事のような豆知識が書かれたおまけも付属しています。
よろしければぜひ、ご覧になってみてください。
以上、今回はひな祭りの行事食、菱餅、ひなあられ、ひちぎりについてでした。
次回は、ちらし寿司やはまぐりのお吸い物等、行事食第二弾行きたいと思います。
お楽しみに!