なんで節分には豆をまくの?
と聞かれたら、皆さんはどう答えますか?
「豆には悪いものをやっつける力があるんだよ。悪いことが起きないように、幸せがやってくるようにと願いを込めながら、自分の中の悪い鬼をやっつけるために豆をまくんだよ。」
といった感じでしょうか。
伝える分にはたったこれだけになってしまいますが、やっぱり気になるその背景。
ということで、今回も深掘りしてみました。
このの記事では、以下のことについて書いています。
それではさっそく見てきましょう。
①節分にはなぜ豆をまくの?
古来から、穀物には精霊が宿るとされ、節分には米などの五穀(米・麦・ひえ・あわ・大豆)をまいていました。
ではなぜ今、まくのは豆だけになっているのでしょう?
それには、五穀の中で豆が一番大きいという超シンプルな理由もあるようですが、他にも理由があります。
豆(まめ)という言葉に意味を持たせようとしたもので、豆を炒る=魔眼(まめ)を射る=鬼の眼を射るという説や、魔(ま)を滅(め)すると言うものです。
ではなぜ豆を炒るのかというと、炒らないでそのままの豆をまくと地面に落ちて芽を出す可能性があり、それがよくないと考えられているからです。
「鬼は外!」と豆をまいて追い払ったはずの邪気のついた豆が芽を出し成長するということは、邪気がそこに定着してしまうことを意味します。
「せっかく追い払った邪気が定着してしまってはたまらん!」ということで、炒った豆を使用するようになったのだそうです。
炒り大豆をまくところが多いようですが地域によっては落花生をまくところもあります。
落花生をまく理由としては、大きくて見つけやすい=拾いやすいという、わりとシンプルかつ合理的な理由からのようです。
ちなみに、そもそもなぜ豆まきに鬼が登場するのかというと、豆まきは元々邪気を払うというものだったのが、いつからか邪気の象徴として鬼を払う形で定着したからというのが理由のようです。
②豆まきのやり方は?
子どもたちが降園するので園ではできませんが、正式な豆まきは、夜にするのが正解なのだとか。
やり方は以下の通りです。
鬼は夜やってくるとされているので、前日までに炒った豆=福豆を用意し、神棚に供えておく。
その豆を夜に「鬼は外!福は内!」とまく。
ちなみに、豆をまくのはその家の家長もしくはその年の年男、年女、厄年の人等、地域によって違いがあったりもするようです。
今のご時世なかなか難しいですが、正式には、鬼を外に追い払うために玄関や窓を開けて豆をまいて、再度入ってこないようにすぐに閉めるのがよいとされています。
そしてさらに言うと、本当に豆まきをするべき時刻は昔でいう丑寅(うしとら)の刻=鬼がやってくるとされる深夜2-4時なのだとか。
え?それってもう2月4日じゃない?立春じゃん。年明けてるじゃん(節分っていつ?どんな日なの?〜保育に使える年中行事深掘りメモ③〜参照)。だったら2月3日の方の2-4時が正確なんじゃないん?と思ったそこのあなた、わかります、その気持ち。
私も疑問に思ってあちらこちらと調べてみました。
でも、私が調べた範囲では、みな2月4日の早朝=2月3日の深夜が正式となっていたので、節分とはそういうものなんでしょう。
いずれにせよ、そんな夜中に鬼は外!福は内!とやっていては、ご近所さんに迷惑極まりないやばい人だと思われてしまうので、細かいことを気にしては行けません。
3日の夜暗くなってからやるのが正解とだけ覚えておけば良いのではないかと思います。
もう一つおまけで付け加えると、豆まきをした後には年の数+1個分の豆を食べるとよいとされています。
この【+1】については、昔は新年(今でいう立春の日。つまり節分は一年の最後の日にあたる。)にみんな一斉に年を取ると考えられていたので、年齢の数に新年分の1つを足して食べていたためとされています。
ただし、今ではそこまで厳密ではなく、年齢の数でいいと等、いろいろな考え方があります。
いずれにしても、悪いものを払い、幸せに健康に過ごせますようにと願いを込めながら食べるのが大切ということですね。
③おまけ(鬼と福の神についての豆知識)
上述の丑寅(うしとら)というのは、時刻のみでなく、方位を表すのにも使われており、鬼は丑寅の方位(北東)にある鬼門からくるとされています。鬼のあのスタイルにもちゃんと理由があって、その丑寅の方位にちなんで、鬼の姿を描く際に牛(丑)の角と虎(寅)の牙、虎(寅)柄の服というスタイルが定着したのだそうです。
今回節分について調べながら、『牛柄パンツにならなくて良かったね、鬼さん。』と思ってしまったのはナイショの話です。
節分といえば、福の神が登場するイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
福の神にもいろいろありますが、中でもお多福(おたふく)様のイメージが定着しているのには理由があります。
狂言のお話に、暴れまわる鬼を豆まきだけでは退治できず、最終的にお多福様が鬼たちを諭して改心させたというものがあり、それが元になってお多福様が節分に登場する流れが定着したようです。
また、昔はお多福様のような白くてふっくらとした顔が縁起が良いとされていたというのも理由の一つとされています。
ということで、今回は豆まきについてでした。
毎度長文お付き合いありがとうございました。