『恵方巻きって何?』と子どもたちに聞かれたら何と答えますか?
「みんなや、お家の人たちにいいことがたくさんあるように、昔から節分に食べられているんだよ。
幸せを一気につかめるように、丸ごと一本お話ししないで食べるんだよ。
食べる時は願い事のことを考えるのを忘れないようにね。
それで、食べる時に向く方向も年によって決まっていて、それが恵方って呼ばれているんだよ。
その恵方を向いて巻き寿司を食べるから恵方巻きって言うんだよ。
今年は東北東っていう方角を見て食べるんだよ。
お家の人が分からなかったら帰ってからぜひ教えてあげてね。」
といった感じでしょうか。
さて、そんな恵方巻き、今回も深掘りしていきたいと思います。
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①恵方巻きの恵方って?
恵方巻きの恵方って、実は四方位しかないの、知ってましたか?
毎年やってくる節分ですが、一年に一回しかないので、毎年どの方向を向いていたかなんて覚えていませんよね。
しかも東北東とか、表記が細かいもんだから候補がめちゃくちゃたくさんある中で今年はこの方位とか決められてるんだと思ってたら、実は四方位しかないんです。
ちなみに、四方位は、
「東北東」(甲の方角⇒東北東微東)
「西南西」(庚の方角⇒西南西微西)
「南南東」(丙の方角⇒南南東微南)
「北北西」(壬の方角⇒北北西微北)
です。
2024年(令和6年)は東北東(正式には東北東微東)だそうです。
で、上の表記を見て気づいた方もいると思うのですが、甲とか庚とか、何って思いますよね。
これらは、十干(じっかん)と言う、十日間を一まとまりとして数えるための中国の古い呼び名からきています。で、この十干というのは以下の10種類からなっています。
甲 (きのえ)・乙 (きのと)・丙 (ひのえ)・丁 (ひのと)・戊 (つちのえ)・己 (つちのと)・庚 (かのえ)・辛 (かのと)・壬 (みずのえ)・癸 (みずのと)
で、恵方はこれをもとに決められていて、甲・己の年では東北東、乙・庚の年では西南西、丙・辛・戊・癸の年では南南東、丁・壬の年では北北西ということになっています。
四つしかないとはいえ、ちょっと複雑な感じがして、何にしても私の場合は毎年確認は必要そうですw
ちなみに、この十干と干支を掛け合わせると、六十年周期の六十干支(ろくじっかんし)と呼ばれているものになります。
還暦とか、丙午(ひのえうま)とかというのもこの六十干支の考えに基づいています。
②恵方巻きの起源は?
江戸、明治頃の大阪の発祥といわれてはいますが、その由来については諸説あります。
商人や芸子さんが商売繁盛を願い節分に食べていたという説が一番有力のようですが、確実にそれが起源と言うわけではなく、まだ不明点が多いようです。
元々「丸かぶり寿司」「太巻き寿司」などと呼ばれていたものが後に「恵方巻き」と呼ばれるようになり、定着していったということです。「恵方巻き」の名称の定着は比較的近年になってからで、それには某コンビニ(711さん)が一役買ったという話もあります。
③何で恵方巻きを食べるの?どう食べるのが正解?
恵方巻きを食べることで、商売繁盛、家内安全、無病息災を願い、また、節分を祝うという意味合いがあります。
昔から食べられていたものには、おめでたい七福神にあやかり、七種類の具(きゅうり・かんぴょう・シイタケ煮・桜でんぶ・卵焼き・うなぎ・高野豆腐)が入っていましたが、ご存知のように現代ではそれに限らず、具材の数も種類も様々な、バリエーション豊かなものが売られていますね。
食べ方は、一人一本、カットなしの丸ごとが基本です。
幸福を一気にいただくという意味合いがあり、運を逃さないための丸ごと一気喰い(その際は話はせずに願い事のことを考えながら)ということです。
ということで、今回は節分の恵方巻についての深掘りでした。
次回は節分シリーズ最終回、柊鰯について深掘りしていきたいと思います。
お楽しみに。