1月7日に食べる七草がゆ。
無病息災を願って春の七草を入れたお粥を食べます。
古くからの伝統食として保育園等でも給食で出るというところも多いのではないでしょうか。
無病息災を願う以外にも、おせち料理や、お正月の暴飲暴食で疲れた胃腸を休めるという意味もあるとか。
本記事では、そんな七草について、保育園で子どもたちに話をする際に知っていると役立つ豆知識を紹介するとともに、
分かりやすく伝えるにはどのように話をすればよいのかについても紹介しています。
日々の保育の際の参考に、よろしければぜひご覧になっていってください。
ということで、今回は、
という疑問をお持ちの方に向けて記事を書いていきます。
①七草がゆってなに?
前述のように、無病息災を願い、また、お正月につかれた胃腸を休ませるために食べるとされている七草がゆですが、
まずはその由来について深掘りしていきましょう。
七草がゆの由来としては、
中国の節句「人日の節句」(人を大切にする節句。節句には季節ごとに旬の食べ物を食べて生命力をつけて邪気を払う風習がある)と、
日本の古くからの風習であった「若菜摘み」(新春に雪の間から芽を出した草を摘むというもの)が合わさった形で、古くから食べられていたのだそうです。
七草がゆに使われているのは「春の」七草であり、
『芹(セリ)』、『薺(ナズナ)』、『御形(ゴギョウ)』、『繁縷(ハコベラ)』、『仏の座(ホトケノザ)』、『菘(スズナ)』、『蘿蔔(スズシロ)』の7種をさします。
それぞれに食べると良いとされる由来があり、
せり…競争などに競り勝つ。
なずな…撫でて汚れを取り除く。
ごぎょう(御形)…母子草人形や仏体の意。母と子の人形。母子の汚れを落とすために使われた人形の代わり。
はこべら…繁栄がはびこる。
ほとけのざ(仏の座)…仏の安座する場所。
すずな…神を呼ぶための鈴。
すずしろ…汚れのない清白。
というものです。
ちなみに、すずなはカブ、すずしろは大根のことです。
さらに、ちなみに、ですが、上記の七草が一番ポピュラーですが、地域、時代等によって七草の内容が違う場合もあるようです。
気になる方はぜひ調べてみてください。
②「春」の七草以外にも、「夏」「秋」「冬」の七草もあるの?
先ほどから「春」の七草と言っているのには、理由があります。
実は、他の季節の七草も存在しているのです。
詳しくは後述しますが、春の七草は食用ですが、それ以外の七草に関しては、以下のようになっています。
夏の七草…鑑賞用or食べられる野草等
秋の七草…鑑賞用
冬の七草…冬に食べられる野菜類
この、四季の七草ですが、春と秋の七草は古くからあるものであり、夏と冬の七草は、比較的新しいものです。
春に関しては前述の通りです。
秋に関しては、万葉集で山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ歌が由来となっています。
「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」
「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝顔の花」
との歌が残っています。つまり、
『萩(ハギ)』『尾花(オバナ=ススキ)』『葛(クズ)』『なでしこ』『女郎花(オミナエシ)』『藤袴(フジバカマ)』『朝顔(現在の朝顔とは別で、桔梗のこと)』
の七種類とされています。
夏の七草に関しては諸説あり、というか設定者が複数いるようで、できたのも明治~昭和の頃と言われています。
『葦(ヨシ・アシ)』『藺(イグサ)』『沢瀉(オモダカ)』『羊草(ヒツジグサ)』『蓮(ハス)』『河骨(コウホネ)』『鷺草(サギソウ)』の七種(涼しさを感じさせる花)
『藜(アカザ)』『牛膝(イノコズチ)』『莧(ヒユ)』『滑り莧(スベリヒユ)』『白詰草(シロツメクサ)』『姫女苑(ヒメジョオン)』『露草(ツユクサ)』の七種(戦時中の食べられる野草)
等、いくつかの説があります。
冬の七草に関しても諸説ありますが、なぜか他の季節と違い、野菜などの食べ物からなっています。
『葱』『白菜』『大根』『春菊』『ほうれん草』『キャベツ』『小松菜』
『なんきん(かぼちゃ)』『れんこん』『ぎんなん』『にんじん』『きんかん』『かんてん』『うんどん(うどん)』
等です。
ちなみに、2番目の、ひらがな表記にしたものは、冬至の七草とも呼ばれており、どれも『ん』が二つずつ付いており、冬至に食べると運気(ん)が上がる、風邪をひかない、出世すると言われています。
③子どもたちにはどうやって伝えるといいの?
子どもに伝えるなら、
「お正月に、おいしいものをたくさん食べたでしょ?たくさん食べて疲れたお腹が元気になるように七草がゆを食べるんだよ。
1年間病気や怪我をしないで健康に過ごせますようにっていう願いも込められているんだよ。」
「春の七草だけでなく、実は夏や秋や冬にも七草はあるんだよ。」
→気になっているような子がいたら一緒に図鑑などで調べてみでも楽しいですね。
以上、今回は七草について、保育に役立つ豆知識をお送りしました。
1月7日は、七草を食べて1年間健康に過ごしましょう。
ピンバック: ひな祭りの行事食 菱餅・ひなあられ・ひちぎり編~保育に使える年中行事豆知識⑦〜 – 【marais travail】kao.&マレさんの保育お役立ち情報館