今回は、ひな祭りってそもそも何なのか?どんなことが起源となり、いつから続いているのかについて
書きました。
保育園や幼稚園、こども園で子どもたちにひな祭りについて伝えるのに必要な基礎知識を知りたい、どのように伝えるとよいのか知りたいという方に向けて書かれています。
①ひな祭りの起源は?
ひな祭りの起源は、平安時代頃まで遡ります。
3月初めの巳の日(みのひ。巳とはへびのこと。約20~40日に一度ある吉日の一つ。)を『上巳(じょうし・じょうし)の節句』といって、神様にお供えをして感謝していました。
それが後に3月3日に固定となっていき、また、この時期は桃の花の咲く季節でもあったので、桃の節句とも呼ばれるようになりました。
また、紙の人形を身体になでつけることで災厄を人形に移し、それを川に流していた流し雛もひな祭りの原型と言われています。
これらの風習は、元々は女の子のお祝いとしての形はなく、春を喜び、無病息災や五穀豊穣を願う節句でした。
このような行事と、女の子の間で行われていひいな遊び(今で言うところの人形遊びのようなもの)が重なり合って、だんだんと現在のようなひな祭りに変化してきたといわれています。
ちなみに、上巳の節句を含め、日本には五つの節句があります。
下記にそれについても説明してあるのでよろしければご覧ください。
②五節句について
節句という言葉には、季節の変わり目という意味があります。
現在の日本には以下の五つの節句があります。
1月7日の人日(じんじつ…七草の節句)
3月3日の上巳(じょうし・じょうみ…桃の節句)
5月5日の端午(たんご…菖蒲の節句)
7月7日の七夕(しちせき…笹竹の節句)
9月9日の重陽(ちょうよう…菊の節句)
これらを五節句と呼んでいます。
9月9日の重陽の節句だけ、いまいち馴染みがない感じがありますが、他は皆馴染みのあるものですね。
この五節句には、古くから五穀豊穣、子孫繁栄、健康長寿等を願ってきたということです。
それぞれにその季節ごとの植物が当てられており、それらを供えてお祝いをしたり、厄除けをしたりしてきました。
さらにいうと、この五節句、1月7日以外は全て奇数の日付が重なっている(いわゆるゾロ目ですね)のにも意味があります。
陰陽五行説の考え方に基づくと、奇数は陽の数字(良い数字)なのですが、それが重なると「大変良い」という考えの他に、奇数が重なると偶数になり、陽から陰に転じ、「逆に良くない」数字という考えもあるそうで、厄を払うためにその日にお祓いをしたり祈ったり願ったりしてきたのだそうです。
え?じゃあ1月7日は?1月1日じゃないのかって?
1月1日は元々元旦で祝日であったため、7日になったのだそうです。
「意外と、適当?」なんて言ったら怒られちゃいますかね。
③子どもたちにはどう伝える?
ひな祭りってなあに?
子どもたちにそう聞かれたら、
「今は主に女の子のお祝いの日になっているけど、元々は、みんなが元気に、健康に過ごせますようにって願われていた日なんだよ。
桃の節句ともいわれていて、桃の花を供えてお祝いしたりするんだよ。
今は雛飾りを飾っているけど、昔は、紙で作った人形にみんなの病気やケガとかの悪いものを持って行ってもらうために川に流していて、それがだんだんと今の雛飾りに変わっていったんだよ。
ひな祭りには、ひなあられや菱餅、ちらしずしや蛤(はまぐり)のお吸い物を食べたり、白酒や甘酒を飲んだりしてみんなで健康でいられることをお祝いして過ごすんだよ」
といった感じでしょうか。
④終わりに
ひな祭りに使えるパネルシアターを販売しています。
それぞれの商品には、この記事のような豆知識が書かれたおまけも付属しています。
よろしければぜひ、ご覧になってみてください。
ということで、今回はひな祭りにまつわる、保育に使える豆知識でした。
次回は雛飾りにフォーカスを当てていきたいと思います。
お楽しみに!